2026年10月、スポーツ庁の「体力・運動能力調査」(2025年度の結果)が公表され、30〜40代の女性の体力が、2001年度と比べて低下していると報じられました。
私はピラティスの講師として、この年代の方と日々向き合っています。調査の数字を、レッスンの現場で感じることと重ねて整理してみます。
※この記事は医療情報の提供を目的としていません。体調に不安のある方、持病やケガのある方は、医師にご相談ください。
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調査で分かったこと
スポーツ庁の調査は、握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・立ち幅とびなどの結果を点数にして、「体力合計点」として評価しています。
2001年度(平成13年度)を100%として、2025年度(令和7年度)までの推移を見ると次のようでした。
- 女性:40代は93.6%(6.4%の低下)。30代は96.3%(報道による)。30代・40代とも、長期的な低下傾向。
- 男性:40代は、2018年度ごろまで100%前後で推移し、その後に下がって98.8%。30代は102.2%に上昇(報道による)
- 20代と50代は、長期的には上昇していますが、近年は、やや低下しています。60代と70代は男女とも上昇しています。
- 最近10年間でも、40代の女性は、ほとんどの項目と合計点で低下傾向とされています。
運動習慣やスポーツクラブへの所属については、35〜39歳と45〜49歳の結果が、示されています。
- 週に1日以上、運動・スポーツをする割合(35〜39歳):男性は4割から5割に上昇。女性は4割から3割に低下。
- 同じく(45〜49歳):男性は4割から5割に上昇。女性は4割台後半から4割台前半に、やや低下。
- スポーツクラブへの所属率:35〜39歳、45〜49歳とも男女で低下。
特に35〜39歳の女性で低く(報道では約1割)、45〜49歳は、男女とも2割弱。 - スポーツクラブに所属している人のほうが、調べられたすべての年代で、男女とも、体力合計点が高い結果でした。
以上は、スポーツ庁の報道発表(2026年10月11日)の内容を筆者が要約・加工して作成したものです。「報道による」と書いた数字は、新聞などの報道に基づきます。
なぜ、30〜40代の女性なのか
専門家は、仕事と家事・育児の両立で女性に重い負担がかかり、運動したくても時間や費用の面で難しい人が一定数いるのではないか、と分析している、と報じられました(共同通信などの報道)。
ただし、これはあくまで一つの見方です。調査の数字そのものが、原因を示しているわけではありません。また、ここで見ているのは、グループの平均の話で、一人ひとりがそうだという意味ではありません。
スポーツ庁も、今回の結果を受けて30〜40代の女性を含む、子育て・働き盛りの世代を、運動を促す重点の対象にする方針を示しています。
レッスンの現場で感じること
40代になると、骨盤や背骨を一つずつ丸めたり、伸ばしたりする動き(アーティキュレーション)が、だんだんやりにくくなる、と感じる方が多いです。
私自身も、その変化をレッスンでよく目にします。
また、女性は、妊娠・出産を経て、休む間もなく子育てが始まります。
産後の体をゆっくり回復させる時間がなかなか取れないまま、体を使い続けている方が多いのではないか、と感じています。これは私の実感で、調査の結果ではありません。
背骨を一つずつ動かすことについては、こちらの記事も参考にしてください。→ 脊柱のアーティキュレーションとは?背骨を一つずつ動かす、やさしい練習
「運動しなきゃ」ではなく、「できる動き」から
時間も、費用も、余裕がないときは、まず家で、マット1枚でできることから。ピラティスは、道具がほとんどいらない運動です。ここでは、私が大切にしている4つの動きを紹介します。
1. ペルビックカール(骨盤をカールする)
スタートは、仰向けで膝を立て、骨盤をニュートラル(反りすぎず、丸めすぎない位置)にします。
息を吸って準備。吐きながら、おへそをマットに沈めるように、恥骨を自分の鼻の方に向けるように、骨盤をカールします。吸いながら、元の位置に戻ります。
注意点は、股関節に力を入れないこと。お腹で動かす意識で行います。
背骨を一つずつ動かす、アーティキュレーションの入り口になる動きです。→ ペルビックカール
2. チェストリフト(上体を起こす)
スタートは、仰向けで、手を組んで後頭部に添え、頭の重さを両手のひらに乗せます。骨盤は、ニュートラルです。
息を吸って準備。吐きながら、肘を前に突き出すように、上体を起こします。脇を突き出すようにしても、やりやすいです。みぞおちを、床に引き下ろすように、肩は下げたまま、うなずくように起きます。吸いながら、元に戻ります。
3. レッグサークルの準備(脚の上げ下ろしとコアの連動)
スタートは、仰向けで膝を立て骨盤はニュートラル。片脚を、テーブルトップ(膝を曲げて、すねが床と平行)から、つま先を天井に向けて伸ばします。
脚を伸ばしたまま、息を吸いながら、床すれすれまで下ろします。吐きながら、元の位置に戻ります。戻すときは、コア(お腹)を引き込み、腰に負担がかからないように、呼吸でコントロールします。
脚の動きと、コアを連動させる練習です。円を描く動きは、この土台ができてからです。→ レッグサークルが楽になる理由。骨盤が安定したら動きが変わった話
4. 腕立て(腕と肩まわりの筋力も)
脚や体幹だけでなく、腕と肩まわりの筋力も、年齢とともに、落ちやすい部分です。
スタートは、四つ這いです。手は肩の真下、膝は腰の真下に置きます。そこから、膝を、少しずつ後ろ(足の方)へ遠ざけていきます。膝が遠くなるほど、体が一直線に近づき、腕と肩まわりへの負荷が大きくなります。肘を曲げ伸ばしするときは、肩甲骨を、背中の上で安定させます。
私は、四十肩・五十肩に備えたいという気持ちから、肩まわり、特に肩甲骨や脇から腕を動かす意識を大切にしています。
ただし、運動で、四十肩・五十肩を防げる、と言い切れる根拠はありません。
手首や肩に痛みがあるときは、無理をしないでください。
続けるコツ
- 完璧を目指さない。1日1つの動きを3分だけでも十分です
- 家事の「ついで」に。お湯を待つ間やお風呂上がりの時間に
- できなかった日を、責めない。またできる日に戻ればいい
- 痛みが出たら、やめる。無理はしません
まとめ
調査は、30〜40代の女性の体力が、下がってきたことを示しました。理由は一つではないでしょう。ただ、「忙しくて、自分のことは後回し」になりやすい状況は、多くの方に当てはまるのではないでしょうか。
まずは、1つの動きから。
体を動かす時間は、自分を大切にする時間でもあります。ゆっくり、一緒に、続けていきましょう。
マットピラティスのレッスンを、札幌市南区で、行っています(火・水曜、対面)。動き方を、直接、見てほしい方は、こちらから、ご予約ください。→ レッスンのご予約フォーム



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