シニアピラティスに来られるお客様の中には、股関節に不具合を抱えている方が多く、すでに手術を終えた方も少なくありません。
それでも諦めず、運動習慣を身につけて「自分の足で動き続けたい」と頑張っている姿を見るたびに、私も微力ながらお力になりたい!と思わずにはいられません。
原理としては、筋力をつけて不安箇所をカバーすることで、日常生活のしづらさを改善することができます。
股関節には、手術に至るまでに「立てつけの悪さ」や「動かすと軋むような感覚」など、さまざまな困難が生じがちです。術後も鼠蹊部のつっぱり感や違和感が残ることもあり、それが原因で動かさなくなると、筋力はますます低下してしまいます。
25名ほどの大人数でのレッスンでは、全員を細やかに見るのは難しいですが、日常動作に近い内容でレッスンを構成することで、「帰宅後も自然に思い出して動いてもらえるのでは?」と意識して指導しています。
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股関節の可動域を広げ、周囲の筋肉を強化することはとても大切です。
たとえば クラム や ダイアゴナルリーチ といった動きでは、コアや臀筋を意識しながら股関節周囲筋にアプローチすることができます。筋力の強化により股関節が安定し、痛みの軽減や動作の改善が期待できます。
また、左右差のある方も多いため、無意識にかばっている部分を見極め、バランスよくトレーニングすることも重要です。ただし、痛みが出るような運動は避けなければなりません。そのため、レッスン終了後には、股関節手術経験のある方に違和感がないかを確認してから終えるようにしています。
さすがシニアの皆さんは、無理をせず、医師のアドバイスをしっかり守っている方が多く、「筋トレをするように言われたから来ました」とおっしゃる方もいます。そうした方は、もともとのモチベーションも高く、取り組み方が前向きです。
一方で注意が必要なのが「反動」。反動を使って立ち上がったり、勢いで動作を行ったりすると、股関節に過度な負担がかかり、状態を悪化させるリスクがあります。負荷以上に、急激な動きやフォームの崩れが大きな落とし穴になります。
以下に、代表的な2つの動きを簡単にご紹介します。
● クラム(Clam)
横向きに寝て、膝を90度に曲げて内もも・内くるぶしを合わせます。骨盤は床と垂直に保ち、コアを引き込む意識で下腹を軽く凹ませましょう。
頭は腕枕に置き、もう片方の腕は胸の前で床に置き、グラグラしないよう安定させます。お尻は少しだけ「出っ尻」にするイメージです。吸って準備し、吐きながら膝だけを天井に向けて開いていきます(語源は貝=clamが開く様子から)。
股関節外旋筋(外旋六筋)を使って動かします。最初は分かりづらいかもしれませんが、お尻にエクボができるような凹みが目安です。慣れてきたら、下側の脚にも効いてくる感覚が出てくると理想的です。
● ダイアゴナルリーチ(Diagonal Reach)
四つん這いの姿勢から始めます。膝は股関節の真下、手のひらは肩関節の真下に配置。おへそが床に落ちないよう、軽く引き上げておく意識がポイントです。
吸って準備し、吐きながら対角線の手と脚をコアで支えるように床と平行になるまで持ち上げます。肩がすくんだり、背中が傾いたりしないよう、体幹の安定を意識しましょう。
動作が難しい場合は、手足をスライドさせる練習からでもOKです。
どんな動きでも大切なのは「呼吸でコアをコントロールすること」
股関節の安定には体幹と臀筋の筋力アップが欠かせません。これを実感できると、生活のしやすさは格段に上がるはずです。
参考になれば嬉しいです。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。



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