「最近、つまずきやすくなった」「姿勢が気になる」「腰が重い」……そんなお悩みを持つ方に、ぜひトライしていただきたいのが、シニアピラティスでよく登場するエクササイズです。
ピラティスは激しい運動ではありません。ゆっくりした動きと深い呼吸で、体の中心にある「体幹」を少しずつ整えていくエクササイズです。今回は、シニアの方でも安心して取り組める5つの動きをご紹介します。
体幹を鍛えることが大切な理由
体幹とは、お腹・背中・骨盤まわりの筋肉のこと。
『コア』と呼ばれる体幹を形成する筋肉は、横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群・多裂筋。ここが弱くなると、姿勢が崩れ、疲れやすくなり、転倒リスクも高まります。
特に50代以降は筋肉量が落ちやすく、気づかないうちに体幹が使えていないことが多いのです。
ピラティスの体幹トレーニングは、関節に負担をかけずに筋肉を使うのが特徴です。「きつい運動は無理」という方でも、無理なく続けられます。そして体幹が整うと、立つ・歩く・座るといった日常の動作そのものが楽になっていきます。
① ヒップリリース(股関節周囲筋をゆるめる)
まず最初は、股関節まわりの筋肉をやさしくゆるめる「ヒップリリース」から始めます。体幹を鍛える前に、股関節の緊張をほぐしておくことが大切です。股関節が硬いままだと、骨盤が正しい位置に収まらず、腰や膝に余計な負担がかかります。
やり方:仰向けに寝て両膝を立てます。片足ずつ股関節の内回しと外回しを左右交互に行います。お腹を抉るように引き込みながら骨盤がグラグラしないよう集中して。
回数目安:左右各5回ずつ
シニアへのポイント:痛みが出ない範囲で行いましょう。骨盤をニュートラルポジションに保持して行うこと。
② ペルビックカール(骨盤から背骨を整える)
骨盤をゆっくり持ち上げ、背骨を一つひとつ動かす「ペルビックカール」。お尻・太もも裏・体幹を同時に使う、シニアピラティスの定番の動きです。背骨を「分節的に」動かす意識が、普段固まりがちな腰椎まわりの柔軟性を取り戻します。
やり方:仰向けで膝を立てます。息を吸って準備し、吐きながらお尻をゆっくり持ち上げます。背骨を床から一枚一枚はがすようなイメージで。上がりきったら息を吸い、吐きながらゆっくり下ろします。
回数目安:5〜8回
シニアへのポイント:腰を反らせすぎないように注意。お尻が上がった状態で腰が痛ければ、高さを低くして行いましょう。呼吸を止めないことが大切。「上げる」より「ゆっくり下ろす」ときの方が体幹が働きます。
③ ハンドレット(呼吸と体幹を同時に鍛える)
ピラティスの代名詞とも言える「ハンドレット」。呼吸のリズムに合わせて腕を動かしながら、体幹深部の筋肉(インナーマッスル)を使い続けます。名前の通り、100カウントを目標にする動きですが、シニアの方は無理せず30〜50カウントから始めましょう。
やり方:仰向けで膝を立て、頭と肩を少し持ち上げます(首が辛ければ頭は下ろしたままでOK)。両腕を体の横でまっすぐ伸ばし、上下に細かく腕を振ります。鼻から5回吸って、口から5回吐くリズムで繰り返します。
回数目安:呼吸10セット(100カウント)。最初は30〜50カウントから。
シニアへのポイント:首が疲れる場合は頭を下ろしたまま腕だけ動かしましょう。お腹をへこませるよう意識することが大切です。「腕を動かす」ではなく「お腹を使いながら腕も動かす」という順番で意識してみてください。
④ ブリッジ(お尻・背骨・体幹をつなげる)
ペルビックカールをさらに発展させた「ブリッジ」。お尻を持ち上げた状態をキープすることで、体幹の深層筋・大殿筋・ハムストリングスをつなげて使います。転倒予防や歩行の安定に直結する動きです。
やり方:仰向けで膝を立て、息を吐きながらお尻を持ち上げてキープ。肩から膝まで一直線になるように意識します。呼吸を続けながら10〜20秒キープし、ゆっくり下ろします。
回数目安:3〜5回
シニアへのポイント:膝が外に開かないように注意。お尻に力を入れすぎず、お腹を薄くしてキープするのがコツです。腰が痛い場合は、キープ時間を短くするか、ペルビックカールのみに留めてください。
⑤ キャットストレッチ(背骨全体をほぐして整える)
最後は「キャットストレッチ」で背骨全体をゆっくりほぐします。体幹トレーニングの締めくくりとして、使った筋肉をリセットしましょう。背骨を丸める動きは、腹部のインナーマッスルを意識しやすく、シニアピラティスの定番の締めとして最適です。
やり方:四つ這いになり、手は肩の下、膝は股関節の下に置きます。息を吐きながら背中を丸めて頭と尾骨を内側に向け、吸いながらゆっくり元に戻します。「猫が背を丸める」イメージで、背骨を一つひとつ動かすように意識します。
回数目安:5〜8回
シニアへのポイント:四つ這いが辛い方は、椅子に座って同じように背骨を丸める動きをするだけでも効果があります。呼吸に合わせてゆっくり動かすことが大切です。反る動きは腰が辛ければ省いてOKです。
まとめ|毎日少しずつが体を変える
今回ご紹介した5つの動きは、すべて仰向けか四つ這いでできるものばかりです。朝の布団の中や、テレビを見ながらでも取り組めます。特別な道具も、広いスペースも必要ありません。
体幹は、毎日少しずつ使い続けることで少しずつ整っていきます。「きつい」と感じる手前で止める、呼吸を止めない、痛みが出たらすぐやめる——この3つを守りながら、無理なく続けてみてください。続けることで「立ち上がりが楽になった」「疲れにくくなった」と感じる瞬間が必ずきます。
「動き方がよくわからない」「自分の体に合ったペースで教えてほしい」という方は、ぜひ体験レッスンへお越しください。北海道札幌市にて、火曜・水曜にセミプライベートレッスンを開催しています。一緒に、体の中心から整えていきましょう。



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